HeartBreak One Run

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自走琵琶湖1周リベンジ(2016年10月9~10日)

久々の3連休。お盆以来の3連休。
直前に訪れた台風のおかげで、きっと連休は晴れるに違いない。
その思いから、本当は石川県美川⇒静岡までのライドを計画していた。
帰りのJRのチケットも買っていた。
それなのに、自然は全然優しくなかった。
連休初日は土砂降りの雨。どこかにいくどころではなく、そもそも外に出られなかった。
仕方なく、実家に帰って待機していた。
予報を都度チェックして、自分に都合のいい予報が出ていないか探した。
人の目には、自分の見たい世界しか映らない。

事実として、日曜日は午後前から晴れるということだった。
そこから静岡へのアタックは可能か? 予約したチケットは月曜日の15時発。
電車に遅れてしまった場合のリスクを考えると、チケットの払い戻しは当然の帰結だった。
社会人として働いている以上、仕事をおろそかにしてはいけない。っていうのが信条だ。

では、どうする? 思い浮かんだのが、琵琶湖リベンジだった。
3月とは違い、道は覚えているし、補給ポイントも把握している。
がんばれば24時間以内の帰宅も夢じゃないかもしれない、というのが当初の野望だった。
10月9日。10時43分発。

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福井県の海沿い。巌門に似ている。(α6000)

ここまでの道のり。蟹料理屋も多かったけれど、ちょうど祭りのシーズンだったようで、3つの集落で獅子舞が披露されていた。
私が小さいころにやっていたものに比べてしっかりした踊りで(大人の踊りと子供の踊りの差だ)、いかにも儀式といった雰囲気だった。
潮の香り漂う港の横で見る獅子舞は、ちょっと私の思うそれとは違っていた。(いい意味で)

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敦賀の市街地に入る少し前。日が沈む。(α6000)

敦賀から琵琶湖に向かう山道で夜を迎えた。
福井に入ったあたりからここまでの間、ずっとNack5のカメレオンパーティーなる番組を聞いていた。
土屋レオさん、やっぱ面白いや。もよ子ちゃんも突然現れたくせにかなりしゃべれる。超楽しかった。
(私が大好きなバンド”愛笑む”も、土屋レオさんがキラスタで紹介してくれて知った)

追い風に乗り、颯爽と琵琶湖を過ぎる。

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大津湖岸なぎさ公園。船、のようだけど、きっと岸に固定されている(α6000)

ここからは帰り道。
少し進んだところでタイヤに違和感を感じる。初めての路上パンクだ。
自転車を止めて、タイヤを交換しようとしたところ。ちょうどそこは自転車屋の前。(LOKOバイシクルさん)
しかもここ、愛するGIANTのディーラではないですか。
運命を感じたものの、深夜未明手前の23時45分。さすがに押し掛けるわけにはいかない。
ここで修理するのも嫌味っぽいので、少し離れたところ(立命館守口高校前)に移動した。
酔っ払いに絡まれながらも、危なげなく交換完了。作業工数15分程度。

野洲で国道8号線に乗る。
乗るとすぐに、青看板の先が敦賀になっているのが安心だ。(前回は道に迷いまくって心をすり減らしたから)
ただ、走り終えて思ったのは、彦根までは8号線手前の県道2号でもよかったのかなぁと。
というのも8号線。自転車が走るスペースが狭い。その上トラックが多い。
安全に走るには1本外れた道を探す必要があって、歩道もあったりなかったりで、ルート選択が面倒だった。

琵琶湖北岸の高月駅あたりで力尽き、定番のバス停仮眠。もう慣れてしまって、すんなり眠りにつく。1時間の休憩。
季節の変わり目だけあって、ドアがついたバス停は本当にありがたい。
ライオンズクラブさん、ありがとう。ゴミは出さず、綺麗に使ったよ。

敦賀への山越えで朝を迎えた。ここからの140kmはずっと向かい風。
モバイルバッテリーの残量もなくなり、ラジオも音楽も聞けず、風切り音だけが耳を打ち付ける。

国道8号線とは一度ここで別れた。
やはり国道はトラックが多くて危険だ。登り坂でのトラック遭遇は本当に危険だ。
だから、行きで使った海沿いの道で帰ることにした。

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越前の海沿いの公園。鳥が空を埋め尽くす。(α6000)

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いい天気だ。風がなければ本当に良かったのに。(α6000)

帰りはお尻の痛みの向かい風に耐えながら、ただひたすらペダルを回すだけ。
サドルカバーを使ってはいるものの、やっぱり最後には痛くなる。
体重、落とさなきゃだな。

美川の自宅に戻ったのは14時ごろだったと思う。
やっと終わったっていう安堵感だけで、感動とかはほとんどなく、やっぱり一度経験してしまったものをリトライしても、あんまり面白い話はできないな、と思った。
もちろん走っている間はそれなりに楽しいのだけど、例えば初めてフルマラソンを完走したときに芸能人がいうような、違う世界が見えたかといえばそうでもなく、某NHKが大げさに語った「神の領域」(笑)なんて感じることもなく。
やっぱ、静岡にトライしたかったなー。
けど、この27時間で経験した時間は、少なくとも普通の1日よりは充実していたと思う。
そして、さっそくだけど次は何をしようかを考え始める。

けど、次を思いつく前に。
睡魔に負けてしまった。
途中に一度、お腹がすいて目が覚めたのを挟んで、15時間ほど眠った。
火曜日は仕事だった。
また、いつもの1週間が始まる。

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テーマの著者 Anders Norén