HeartBreak One Run

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奥信濃100 DNF

2023年上半期のピークを持ってきたはずなのに、72kmタイムオーバーでDNF。直接的な原因は左腹部の激しい痙攣で、高社山から下って27km地点で発症した。安静にしたものの再発を繰り返し、30分近く休んだところでやむなく走りを再開した。塩熱サプリやスポーツドリンクも相当投入したものの、痙攣は左足ふくらはぎ、左手などに広がっていき、トレイル上でテクニカルな動きが全くできなくなってしまった。上半身の力が使えない状態で足に頼り切った結果、カヤの平(48km)地点で余力がなく、さらにここでも再び大きめの痙攣を繰り返した。58km地点で次の関門まで2時間半弱。なんのことはない下りすらまともに動けず、72km地点で関門を越えることができかった。

高社山でもっと余力を残せばよかった、と思う一方で、そこまで力んだつもりはなかったし、スピードも敢えて抑えていた。一方で心拍は170台から全然落ちず、序盤の上りから足を止めることが多かった。下りの合間の上りでもバテバテ。スタート地点に戻ってきたところ(27km)の痙攣で調子が全然良くなかったと認識した。関門まで1時間の余裕。

1回目の糠塚までの記憶はほぼなく、エイドで補給食をたらふく摂取し回復を祈った。カヤの平までの上りは高社山と比べればたいしたことはなく、というか足場のぬかるみさえ気にしなければ強度も低い。ただ、前述の痙攣で走ることはできず、渋滞をこれ幸いと休み休みでなければ歩けなかった。上り切ったところからしばらくトレイルの緩い下り。だが、倒木(枝程度)をジャンプすると足が攣る。まともに走れなさ過ぎた。序盤で作った1時間を余裕をキープできるかが今後のレースの継続にかかっていると思い、林道区間を走る。走れたものの大腿四頭筋がにぶい。無理な歩き方が負担をかけたのだろうと思われた。

カヤの平はトレイル区間。序盤は気合を入れ直して走ったものの、5分ほどで腹筋の痙攣が再発してしばらく動けなくなった。このタイミングでDNFを意識した。ポール禁止とはいえ下りも上りも難度は高くない。ここを走れないということは、ロード区間はもう無理なんだろう。カヤの平エイドの2回目。インソールをクッション性の高いものに交換したものの、腹筋がつって紐を縛れない。仕方なくそのままエイドを出て、15kmの下りをとぼとぼ歩いた。靴紐を数km進んだところで、痛みが弱まったのを見て緩く結んだ。

20時40分ごろ、糠塚。タイムオーバー。意外とすぐに来たバスに乗り込み、どこかでフラスクを落とし、せっかく用意されていた風呂にも入らず、その足で高速に乗り、PAで何度も休憩を取りながら、翌朝4時に帰宅した。

痙攣さえ出なければ十分完走はできると思えるコースだった。とにかく悔しいし、自分の力って結局こんなもんかと情けなくなった。

参加の背景

2022年の年越しに大阪~門司間550kmを走破した。この年の12月は雪の日が多く、外での練習が難しかったのでスポーツジムに通うようになった。最近のトレッドミルはYoutubeが見れるようになっていて、景色が面白いトレラン系のチャンネルをよく見るようになった。よく見るといっても、実は1つの動画にくぎ付けになって他のはほとんど見ていなかった。「滋賀一周ラウンドトレイル」。なじみ深い滋賀の山々をひと繋ぎに走るコース。一縷の可能性が見えたような気がした。

ラウンドトレイル以前に、南部を走る「LAKE BIWA 100」というレースが存在している。いつかこの大会に出てみたいと思うようになった。参加要件は「100㎞以上の距離で累積標高7500m以上の大会を完走していること(※)」。

この要件を満たす大会を探したところ、UTMFに辿り着いた。多分国内でもっとも有名なトレラン大会で、憧れである大会だ。よし、ここをLAKE BIWAへのステップにしようと心に決めた。ものの、UTMFにしても参加要件はある。

国際トレイルランニング協会(ITRA)がポイントを認定しているレースに出場・完走し、最大3レースで10ポイント以上を獲得すること。

ミソは最大3レースというところ。つまり、4ポイント以上の大会を1つは完走していないと参加権は無いのだ。

西国街道の旅を終えた後、北陸の山はまだ雪に覆われている1月中旬から年内のレーススケジュールを調べはじめ、最もとっつきやすそうなイメージを持てたのが「奥信濃100」だった。

準備

レース用のザックを購入

PaaGoのRushシリーズが4月にリニューアルされると聞き、先行発表会を見るため2月に東京へ行く。当初はRush30でいくつもりだったが、目的を伝えるとRush11Rを強くお勧めされた。ポケットが多くて確かに使いやすそうだ。予算の問題、販売前なのにすでに予約締切が近いということで、11Rを手に入れることにした。4月中旬に到着。2023年初戦の綾部トレイルには間に合わなかったけど、以降何度か獅子吼トレーニングで試用し感覚をつかむ。

ポールを固定できるベルトがついていてとても便利ではあるが、当日が雨の場合、ザックの上からレインウエアを羽織ると背中にポールが当たって痛いことが分かった。そこでレインウエア着用時のホールドとしてザック底面にもバンジーコードを付けることにした。加えて高社山上りには鎖場があると聞く。ポールをしまうのは面倒なので、OspreyのKestrel方式で伸ばしたポールを仮止めできるコードも付けることにした。

渡渉(濡れる)前提のソックス探し

昨年からOLENOのアルティメットを使っていた。化繊メーカーの人間としてはとても面白い商品ではあったけれど、SHRのアキレス腱あたりの生地が弱くてすぐ破れる問題と、底面のラバーグリップが邪魔(シューズが履きづらい)という点から別の候補を探すようになった。そこで見つけたのがインナーファクトのラミーソックス。トレラン勢には定番のようで、使ってみることにした。

ソフトフラスクの導入

ザックが11Rに変わると、愛用のハイドレーションパックが入りづらい。これを機にソフトフラスクを使ってみることにした。昨年購入したサロモンのバックに付いていたフラスクを持っていたので試してみると、水の勢いが強すぎて飲み過ぎてしまう。それにストローもあったほうがいいと思い、これまたインナーファクトで購入した。特に問題はないが、ハイドレーションパックってやっぱ便利だと改めて思う。

ロード対策のインソール購入

シューズは愛用のスポルティーバ「Karacal」で、変える必要は全くない。ただ、コース70キロから先の林道(コンクリ)を走るためにはクッション性があったほうがいい。同社の「Jackal」はグリップ向上&クッション性向上の上位モデルではあるが、耐久性の点でKaracalに劣る(経済性が低い)。ということで、クッション付きインソールを購入することにした。SIDASのような高いのではなく、中華製の1000円ちょっとのやつ。テストしたところコンクリでは有効だ。ただ、トレイルでは逆にフカフカすぎて力が逃げてしまいそうなので、はじめは通常インソール。カヤの平2回目エイドからインソールを交換してみる作戦にした。

補給食

ジェル系で揃えるのが定番とはわかっているが、経済性がどう考えてもよくない。メーンとなる固形食は、ドライフルーツとナッツ類をブレンドした自作トレイルミックス。500mlのナルゲンボトルいっぱいに詰めた。ミネラル補給系のバー、プロテインバーそれぞれ2本。プロテインバーは消化の負担が・・・とはいうが、それに耐えられる胃袋を鍛えるのが正しい考え方だと思う。(ただ美味しいものを食べたいだけ)

加えて峨山道で使った純粋はちみつのチューブ7本。安い塩タブレットたくさん。アミノ酸(BCAA)やマルチデキストリンなど即効性の高いものは、普段飲んでいる粉体を小さなボトルにつめてそのまま持っていくことにした。

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テーマの著者 Anders Norén